変わる住宅ローン控除。

令和4年度税制改正法が3月22日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立しました。住宅ローン控除の制度が変わります。

住宅購入を考えている方にとって大きなメリットの1つが住宅ローン控除。近年、住宅ローン金利が低いことにより、住宅ローン控除を受けることでの逆ザヤ状態が問題視されていました。それが緩和されたのか、住宅ローン減税の控除率引き下げがどの様になったのか注目です。

その中で私が最も注目しているのは中古住宅を購入する方に対してのローン控除の基準が変わることです。一体どういうことでしょうか。今後の住宅ローン減税について概要を見ていきましょう。

与党の「税制改正大綱」に目を通すと住宅ローン控除の概要がわかります。
これまで木造の中古住宅は築20年を超えると一定の耐震基準を満たしていることを証明するなど、住宅ローン控除を受けるための高いハードルがありました。例えば耐震基準適合証明書を取得したり既存住宅売買瑕疵保険に加入したり。今後は適用対象となる既存住宅の要件について、築年数要件を廃止するとともに、登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準の適合している住宅のように供する家屋とみなされるため、住宅ローン控除を受けることが出来ます。

控除率の引き下げにもメスが入りました。控除率の逆ザヤは以前より会計検査院から指摘を受けていたことによるものです。控除率1%では、住宅ローンの金利で0.4%台のものもあるので、利息分より多く還付しているいわゆる「逆ザヤ」状態。住宅ローンを組む方にとってはおいしい制度でしたが会計検査院から指摘されていた「控除率」は一律0.7%になりました。新築住宅については、その分「控除期間」を原則13年間にしています(中古住宅は10年)。
そして今回最も注目したいのは、住宅の省エネ性能によって、住宅ローン減税の恩恵が変わってくることです。政府は「2050年カーボンニュートラル」を提唱し、脱炭素化に力を入れている。住宅ローン減税を活用して、住宅の省エネ性を引き上げようという考えが見て取れます。カギになるのが「認定住宅等」の中身ですが、具体的な内容は省略します。

この改正は令和4年1月1日以降に居住の用に供した場合について適用します。今年になって中古住宅を購入したが住宅ローン控除を諦めていた方でも対象になった可能性がありますのでご確認を。

最後に住宅ローン減税は、住宅購入時に押さえておきたい制度ですが、制度があるからという理由でマイホームを購入するのは危険です。「制度があってもなくても購入するべきなのか」を自分自身に問いかけることが大切。そして、それでも欲しいと思えるならば購入で受けられる恩恵は漏らさずしっかり受けるのが良いでしょう。

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